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消防署の“事前相談”で失敗しない3つのポイント

民泊や旅館業の申請を進めるうえで、消防署の事前相談は最重要プロセスです。
ここでのやり取り次第で、後の工事費用・スケジュール・申請の難易度が大きく変わります。

しかし実務では、
「必要と思っていた設備が実は不要だった」
「逆に、工事直前に“追加設備が必要”と言われて大幅な手戻りになった」
といったケースが少なくありません。

ここでは、民泊防災PROが数百件以上の現場に携わる中で分かった
“事前相談で失敗しないための3つのポイント”を解説します。

1. 図面・物件情報を“正確にセットで”提出すること

事前相談では、提出情報の精度が結果を左右します。
消防署は以下の情報をもとに、必要設備の判断を行います。

  1. 建築図面(平面図・配置図・立面図)
    延べ面積、階数
    各室の用途とベッド数・宿泊人数
    避難経路・窓の大きさ(有窓/無窓)
    バルコニーの有無

これらが“抜けた状態”で相談を行うと、
後日「追加で◯◯が必要」「やっぱり△△は不可」と判断がブレやすくなり、
最終的な工事金額が数十万円変わることも珍しくありません。

Point:PDFで受け取った図面はそのままでは不十分なことも多いため、
必要なチェックポイントを押さえた「消防用の図面セット」を事前に整えておくのが確実。

2. “指導内容を文書でもらう”ことを徹底する

事前相談後、口頭だけの回答に頼るのは危険です。

消防署は担当者ごとに解釈のばらつきがあり、
別日に別の担当者が対応すると、
「前回と違う指導を受ける」ということが実務では頻繁に起こります。

そのため、事前相談が終わったら必ず、
・指導内容を書面化(メール・相談票)
・必要設備のリストアップ
・工事可否の判断箇所
・「免除」や「不要」と言われた項目の記録

を残し、エビデンス化しておくことが必須です。

特に高額な工事(誘導灯、有線自火報、中継機、避難器具など)は、
記録があるだけで後々の調整がスムーズになり、
不要な追加工事を避けることができます。

3 “建築と消防の管轄を混同しないこと”が非常に重要

民泊・旅館業の相談でよく聞くトラブルが、
「消防が建築の指導をしてしまう/建築の判断を消防のものと誤認する」という点です。

実務では、特に以下の2つの誤解が頻発します。

① 非常用照明は“建築基準法”の管轄(※消防ではない)

よくある現場の混乱
・消防署から「非常用照明をつけてください」と言われたように感じる
・しかし実際は“建築基準法の確認が必要で、消防の判断範囲外”
・結果、建築側のルールで改めてチェック → 指導内容が変わる

point:非常用照明(非常灯)は「避難時の照度確保」を目的とした建築設備であり、
消防法ではなく建築基準法第35条・施行令第128条の5等が根拠になります。

したがって、消防署の職員が“参考として”言うことはあっても、
正式な判断は建築側の担当が行うのが正しい流れです。

② 竪穴区画(階段室の区画)も“建築の管轄”

民泊相談で最も多い誤解のひとつがこれです。
・消防が「竪穴区画が必要ですね」と助言する
・施主が「消防に言われたから」とすぐ施工しようとする
・しかし本来は 建築基準法(施行令112条・117条等)に基づく建築側の判断

そして建築士による“構造・排煙計画との整合確認”が必須

結果として、消防の助言どおりに工事しても建築側でNGになり、工事をやり直す例が多数

竪穴区画は
・ガラス区画の仕様
・防火設備のランク
・排煙設備との組合せ
など建築的な要素が非常に多いため、
建築士による確認がない状態で工事を決めるのはNGです。

なぜ管轄の混同が危険なのか?

管轄の誤認が起こると:
・工事代金がムダになる(ガラス区画140〜180万円が無駄になった実例多数)
・建築側の判断で“やり直し”になる
・間取り変更 → 再図面作成 → 再相談でスケジュールが1ヶ月遅れる
・消防検査が通らない
・申請が遅れオープン日に間に合わない

という大きな損失につながります。

まとめ

消防署との事前相談で失敗しないための3つのポイントは以下の通りです。

①図面と物件情報を正確に揃えて相談する
②口頭のやり取りをそのままにせず、必ず“文書”で残す
③建築と消防の管轄を混同しないこと

これらを押さえることで、
余計な工事やスケジュールの遅延を防ぎ、
スムーズに申請から開業まで進めることができます。

「どこから手をつければいいかわからない…」
民泊の消防まわりでは、そんな声をよく耳にします。

初期段階のご相談から工事・検査まで、民泊防災PROがまるごとサポートします。

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